40歳前後から、体形の変化を感じる女性は
多くなってきます。
日本人女性の全身の筋肉量は
20代から40代くらいまではほとんど
変わりませんが、
40代を境に急激に減少します。
体形の変化はまだ序の口で、放っておけば
走れない、
立ち上がれない未来が
待っているかもしれません。
ヒトの筋肉は、機能の違う
2種類の繊維から出来ています。
瞬間的に大きな力を出すのが「速筋」で、
ジャンプしたり、転びそうなときに
ぐっと踏ん張るのに使われます。
一方で、「遅筋」には持久力があり、
ウォーキングなどの有酸素運動、
姿勢の維持や呼吸するのに使われます。
スケソウダラの速筋タンパク質には
筋肉増加効果があり、
特に加齢に伴い減少する
「速筋」を増加する効果があることが
研究によって明らかになりました。
速筋を増やすために必要なのは、
筋肉トレーニングなどの負荷運動です。
女性に人気のヨガや、
ゆっくりと無理なく歩くなどの
有酸素運動は遅筋の運動で、
速筋を必要としない為、速筋は増えません。
速筋が減ってくると、動く速さや見た目が
かなり違ってきます。
速筋が減ると、肥満、カラダのたるみ、冷え、転倒のリスクが発生します。
またラットを使った実験で、
スケソウダラの速筋タンパク質をラットに
8週間食べさせて筋肉量を測定した結果、
コントロール食を摂取したラットと比較して、
筋肉量が増加したことがわかりました。
さらに、スケソウダラの速筋タンパク質を
摂取したラットのふくらはぎの速筋が
コントロール群と比べて1.4倍になることが
明らかになりました。
これは乳・大豆・卵のタンパク質には
見られない作用なのです。
スケソウダラの速筋タンパク質を
3カ月間毎日4.5g食べて、
筋肉量を測定する臨床試験を行いました。
特別な運動はしていません。
その結果、65歳以上の女性でスケソウダラの
速筋タンパク質の摂取だけで
平均筋肉量に有意な増加が認められました。
スケソウダラは、たらこの親として知られる白身魚です。鮮度が落ちやすいため、棒鱈など干物として売られることが多く、漁獲量日本一の釧路でも鮮魚はなかなか市場に出回りません。ただ、新鮮なスケソウダラは「マダラ以上に美味しい」と言われ、鍋や刺身、焼きものとしても楽しめます。食べられるのは、骨や皮を除いた身の部分(肉)ですが、スケソウダラの身から水分を除くと、ほとんどが速筋からなるタンパク質です。そのため、スケソウダラのタンパク質は「スケソウダラの速筋タンパク質」と呼ばれます。
- 分布:日本海(韓半島~サハリン)、太平洋(常磐地方~ベーリング海~カナダ)、オホーツク海(北海道~サハリン~カムチャッカ半島)に広く分布。
- 形:3つの背びれと2つの臀びれがあり、細身で、目と口が大きく、下あごが上あごよりも突き出ている。タラの仲間であるマダラとコマイとの違いは、ヒゲが目立たないこと。
タンパク質は、1日の推奨量をまとめて
摂るのではなく、
3食均等に20gずつ摂取すること
が望ましいとされています。現代では、朝食・昼食
では不足気味、
夕食は過剰摂取となる
食習慣のケースが多く、理想的な筋肉の合成が
実現しにくくなっています。
食品のタンパク質が私たちの体内で実際に
どのくらい利用されているか-。
その指標となる「正味タンパク利用率」は、卵・乳・肉のタンパク質を抜いて、
スケソウダラの速筋タンパク質がトップクラスであることが明らかになりました。
また、タンパク質はアミノ酸のバランスにより良し悪しが変わりますが、
スケソウダラ速筋タンパク質は、アミノ酸のバランスがよく脂肪になりにくいのです。
アミノ酸スコア:化学的な分析によるアミノ酸バランスの評価のみ(MAX100)
正味タンパク利用率:本当に体で利用されるタンパク質の量(生体評価)
※ 豚肉、鶏肉については、別のデータによって、牛肉に近い評価が得られています。
(出典:小麦~卵 朝倉書店(株)動物タンパク質食品(菊池榮一編)、スケソウダラ ニッスイ調べ 臨床試験より予測)
ちくわやかにかまなど、練り製品は
スケソウダラでできており、
実は私たちの暮らしにとても身近な魚なんです。